スケバン刑事if
スケバン刑事if 和田 慎二(著)
久しぶりに読んだ。
といっても前回読んだのは去年の冬だから記憶は割と新しいけど
サキと麗巳が互いに立場を確立する前に出会っていた場合のifの話。
もしも学生刑事として力を振るう前のサキと、ヨーロッパで野望を推し進め始める前の麗巳が出会ってしまったら……
孤高ゆえに強いが脆いサキと、孤独ゆえに無限の野望を持つ麗巳はしかし出会ってしまった。
二人は寄り添い身を寄せ合い生活することになるが、
交わってしまったことで運命はねじれて変わっていくのか……
僕自身はドラマ未見、漫画は全巻所有。
原作厨だけどドラマに対してどうこうは言えないから話題の幅としては狭くなってしまうけど、
原作はめちゃくちゃ好き。
ハードな世界観にバイオレンスなアクション、
情け容赦のない肉体的にも精神的にも追い詰める暴力描写は
当時少女だった人にどれだけ衝撃を与えたのだろうかと思う。
僕は高校の頃に和田慎二先生の作品をちょくちょく読むようになったんだけど、
スケバン刑事を読み始めた頃は、とにかくガツンと頭を殴られたような感覚で……
高校が自転車で50分くらいのところにあったんだけど、
その高校の近所にある小規模チェーンの中古本屋で数冊読んだ後はもう完全に虜になってしまって
全巻を2回か3回に分けて購入して、背負って帰るなどしたのを今でも覚えている。
ああこれは家で読まないとダメだ、と思って……
今は電子書籍があるから背負わなくても済んで、楽でいいと思う。
で
今日読み返して、
ああ、女の感情……って軽くトリップしながら読み終わった後で
ふと背表紙とあとがき後の奥付ページの、ヨーヨーの軌跡に今更ながら気付いてしまって
背筋がぞくっとした
買った当時は気付かなかった、鈍感すぎませんか
これ完全に、作中の天宮佑希と氷室麗華という二人の狼のことじゃないですか
表紙のヨーヨーの平行になった軌跡と、背表紙のまっすぐなヨーヨーとループしたヨーヨーの軌跡
そして奥付
こういうデザインで内容に沿わせてこられるのがめちゃくちゃすき
まあ出版されてから14年、僕が最初に読んでから7年?(読書メーターにログが残ってた)くらい経過していて
今更気付いたくせに何だよって感じだけど
ちらっと言ったけど内容としては
孤高な女と、邪悪の道を進もうとし始めた女が出会い、どうしようもなく惹かれ合ってしまう話だから
完全に百合なので百合の人は必ず読むように
あ、原作のスケバン刑事も読んでね
絶対読んで
スケバン刑事はいいぞ
和田慎二先生が亡くなってからもうだいぶ経つけど
超少女明日香、もっと読みたかったなぁ
とか色々考えてしまう。
好きな作家が亡くなることほど哀しいことはない
今まさに面白い作品をバンバン出している人達を応援していきたいし、
もっと多くの作家、作品と出逢っていけたらなぁと思う。